生産終了!?フェンダージャパンのエレキギターの歴史と生産終了した理由【Fender Japan】

エレキギター初心者から中〜上級者まで幅広く利用されていたフェンダージャパン。

しかし、2015年3月で生産終了をしてしまいました。

この記事では、フェンダージャパンのこれまでの歴史から始まり、何故生産終了してしまったのか、その後どのような後継が生まれているのかをご紹介します。

フェンダージャパンの始まり

フェンダージャパンの始まりは1982年まで遡ります。

当時アメリカで大人気となっていたフェンダーのエレキギターですが、日本でもその人気は高く、海賊版エレキギターが多く流通していました。

国内の楽器メーカーが目をつけ、「ストラトキャスター」や「テレキャスター」といったフェンダーの人気機種をの仕様をコピーして販売していたのです。

主に海賊版を製造していたのは「東海楽器製造(現TOKAI)」であったため、米フェンダー社は訴訟などを行っていました。

訴訟の結果、東海楽器製造を販売停止まで追い込む事が出来ましたが、米フェンダーのギターは非常に高く、コスト面で完全に国内の海賊版を駆逐する事は出来ませんでした。

現在でもフェンダーUSAのエレキギターは1本20万円以上するのが当たり前ですから、当時は為替や配送費の関係から今よりも高かったのではと予想されます。

この状況を打破し、ビジネスチャンスに変えたのが「フェンダージャパン」です。

米フェンダー社は日本国内でエレキギターを製造・販売し、手頃な値段で購入できるモデルを売り出せば多くの人が自社のエレキギターを買い、コピーギターが減ると考えました。

そこで米フェンダーは日本の富士弦楽器製造(現フジゲン)を筆頭とし、日本に合弁会社の「フェンダージャパン株式会社」を設立しました。

合弁会社には神田商会や山野楽器も出資をしたようです。

フェンダーの廉価版としてスクワイヤーを、そのワンランク上のギターとしてフェンダージャパンというブランドを日本で展開しました。

フェンダージャパン株式会社設立からおよそ15年間は富士弦楽器製造(現フジゲン)が製造を、神田商会と山野楽器が販売を行うといった体制が続きました。

フェンダージャパンの幕閉じ!?

一時は世界のフェンダーエレキギター全てを製造していたフジゲンですが、日本のバブル崩壊と共に設備投資などの大きな負債を抱えてしまい、1997年にフェンダーメキシコ社とフェンダージャパン社を米フェンダー社に売却しました。

フェンダージャパン社がフェンダー社の完全子会社となった1997年に、「フェンダージャパン」ブランドはスクワイヤーと統合され幕を閉じようとしていました。

神田商会、フェンダージャパンのライセンスを取得

しかしそこに目をつけ、ビジネスチャンスをモノにしたのが神田商会でした。

当時日本ではフェンダージャパンのブランド価値は健在であったため、神田商会は米フェンダー社から「フェンダージャパン」商標のライセンス契約を結び、自社のプライベートブランドとして継続しました。

ライセンス契約当初は製造を東海楽器製造や寺田楽器、アトランシアといった会社に外注し、組み立てを子会社のダイナ楽器で行うというスタイルで販売を開始しました。

1997年〜2007年までの間は上記のような生産体制でフェンダージャパンは製造販売されていました。

2007年からはダイナ楽器の設備投資によって木材加工も可能になっていき、2008年からは完全に製造を組み込みをダイナ楽器が行うようになります。

これら製造方法や製造年度の見分けを行うには、ネック後部に記載されているシリアルナンバーで判断するのが一番スタンダードです。

大きく分類すると

  • フジゲン製:Made in Japan の記載とシリアルナンバー6桁
  • 外部製造、ダイナ楽器組み込み:Crafted in Japan
  • ダイナ楽器製造・組み込み:Made in Japanの記載と0から始まるシリアルナンバー6桁

となりますので、お手持ちのフェンダージャパン製エレキギターがある方は是非確認してみてください。

ライセンス契約の終了、フェンダージャパンの生産終了へ

このような紆余曲折を経たのがフェンダージャパンのこれまでの歴史です。

そして2015年3月、米フェンダー社と神田商会はライセンス契約を終了する事になりました。

理由は、米フェンダー社が再度日本に上陸し、自分達の会社として日本でエレキギターを販売する事になったからです。

米フェンダー社は日本に「フェンダーミュージック株式会社」という会社を設立し、

Fender Japanの後継としてFender Japan Exclusive(フェンダージャパンエクスクルーシブ)というブランドを設立し、製造・販売を行っています。

Fender Japan Exclusiveの評価

2015年以降、市場で販売されているFender Japan Exclusiveですが、その品質などはどう変化しているのでしょうか。

結論から申しますと、2012年以降のフェンダージャパンの品質とはさほど

変化がないと思われます。

というのも、現在のFender Japan Exclusiveの製造・組み込みは2012年以降と変わらずダイナ楽器が行っているからです。

生産体制は変わらず、本家フェンダー社が日本に進出して管理を行うようになった、という見方が正しいかと思います。

ただ、管理が変わった分、今後製品の品質にバラツキは発生してしまうかもしれません。

まだFender Japan Exclusiveに切り替わってから数年しか経過していませんので、今後の動向を見ていきましょう。

生産終了となってしまったフェンダージャパンについてのまとめ

この記事では、フェンダージャパンの始まりから途中の紆余曲折、生産終了の背景と現在についてを説明いたしました。

内容をまとめると

  1. フェンダージャパンは1982年に発足し、フジゲン製造・組み込みの元1997年まで販売がされていた。
  2. 1997年以降は外注製造・ダイナ楽器組み込みで「フェンダージャパン」のライセンスを獲得した神田商会が販売を行っていた
  3. 2007年以降はダイナ楽器が製造・組み込みを行っていた
  4. 2015年3月で神田商会と米フェンダー社の「フェンダージャパン」ライセンス契約が終了し、新たにFender Japan Exclusiveが発足した
  5. Fender Japan Exclusiveとなった後もダイナ楽器が製造・組み込みを行っている

となります。

生産終了となってしまったフェンダージャパンですが、フェンダージャパンエクスクルーシブという新たなブランドに生まれかわったので、

今後のさらなる進化と発展に注目です。

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