エレキギターの代名詞、フェンダーUSAストラトキャスターの歴史まとめ【Fender USA】

フェンダーUSAのストラトキャスターといえば、現在に至るまで60年以上もの歴史を誇る、エレキギターの草分けとも言える存在です。

1980年代のライブ映像を見ても、最近のミュージシャンのMVを見ても、あらゆる音楽シーンの映像にその姿を確認することができ、このシェイプのギターがいかに広く普及しているかがわかります。

しかし歴史を振り返ってみると、人気が低迷し生産中止を検討した時期もあれば、実際に生産中止に追い込まれた時期もあり、決して順風満帆とは言えない経緯を辿ってきています。

この記事ではストラトキャスター、とりわけ本家フェンダーUSAのストラトに焦点を当て、その歴史を追いかけたいと思います。

フェンダーUSAのストラトキャスターの歴史

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出典:デジマート
ストラトキャスターの歴史を語る上で避けて通れないことは多くあります。

前身であるテレキャスターの歴史、伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックス、フェンダー社の業績不振による売却、品質低下と売り上げ不振による生産停止、そして再興後のレギュラーラインの登場…。

さまざまな出来事が折重なり、現在に至るまでストラトキャスターが作り続けられてきているその出来事を紐解いていきましょう。

ストラトキャスターの前身となるテレキャスターの登場

フェンダーUSAによってストラトキャスターが発表される前には、その形を生み出す基礎となったギターがあります。

それが、ストラトキャスターと同じく現在でも未だに高い評価を得ている、フェンダーUSA テレキャスターです。

0-1_mini画像はスタンダードなスタイルのテレキャスター
このテレキャスターは1949年にエスクワイヤーという名前で発表され、翌1950年ブロードキャスターとして名前を変えて再発表されます。フェンダーの創業者であるレオ・フェンダーは、当時ほとんどのギターが中身が空洞のホロウ・ボディである中で、中に音響のための空洞を作らないソリッド・ボディのギターの試作品を1948年に完成させていました。

しかし、ブロードキャスター(Broadcaster)という名前が、同じく楽器を製造販売するグレッチ社のドラムの商標、ブロードキャスター(BroadKaster)と酷似していたために、名前を変更することになったことで、1952年、テレキャスターが生まれます。

このテレキャスターには、ボルトオンジョイント構造、"くびれ"とカッタウェイのある丸みを帯びたボディ形状など、のちのストラトキャスターに受け継がれる様々な特徴があり、まさにストラトキャスターの生みの親と呼べる存在となっています。

ストラトキャスター発表、フェンダー社の低迷、CBS社への売却

こうした経緯を経て、フェンダー社は1954年にストラトキャスターを発表しました。

しかしストラトキャスターははじめから現在のような人気のモデルだったわけではなく、そのギターとしての地位が確立していたのは非常に短い期間でした。

当初はカントリーのスチール・ギターなどの音色を意図して発表されたストラトキャスターですが、1960年代半ばには人気が低迷し、生産終了が検討されていたほどでした。

1950年代はまだまだホロウ・ボディのギターの人気が根強く、ギブソンES-335やグレッチのナッシュヴィル・ウェスタン(6120)が主流であり、同じく現在ではエレキギターの草分けの地位を占めるレスポール も人気の低迷に苦しんでいたのです。

まだまだロックが主流でない時代、音圧も低くノイズに弱いシングルコイル・ソリッドボディのストラトキャスターは、販売不振にあえいでいました。

業績不振とレオ・フェンダーの体調不振を理由にフェンダー社は1965年、CBS社に売却され、レオ・フェンダーも売却後数年でCBS社を退社することになります。

伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスによるストラトキャスター人気の爆発

この低迷を破ったのは、ジミ・ヘンドリックスという伝説のギタリストでした。

右利き用のギターを左利きのレフティスタイルで、シングルコイルであることをまるで感じさせない強烈な音圧に乗せてストラトキャスターを操り、一世を風靡したのです。

The Jimi Hendrix Experience - Foxey Lady (Miami Pop 1968)

彼は現在の5Wayピックアップセレクタースイッッチの起源でもあり、当時3Way(ハーフトーンなし)だったストラトキャスターで無理やりハーフトーンを実現して、その人気を爆発させるきっかけを生み出したのです。

そうして他とは違う新しいサウンドを探し求めたジミヘンは、ストラトキャスターのハーフトーンサウンドの魅力にいち早く気づいたのです。

しかし、前述の通り3Wayのセレクタースイッチでは普通にはハーフトーンの音は出せません。

そこで彼は、テープでセレクタースイッチを固定して半止めにすることによって無理矢理ハーフトーンサウンドを実現しました。

出典:ストラトキャスター ハーフトーンの歴史とジミ・ヘンドリックス | なる楽器

これに影響を受け、当時ときの人であったエリック・クラプトンやジェフ・ベックもストラトキャスターを使用するようになり、ストラトキャスターは最盛期を迎えます。

CBS社での品質低下による販売不振・生産停止

しかし、技術者でありフェンダーUSAのギターの品質を支えていたレオ・フェンダーを1971年に失ったCBS社の工房では、ストラトキャスターを始めとするギターの品質を守ることができず、次第にフェンダー製ギターの人気は衰えていくこととなります。

このことは、様々なブログでも触れられていますね。

1965年に体調不良から、経営への自信を失ったレオ・フェンダーが、CBSに会社を売却し、彼自身は顧問として残るのですが、1971年に正式にフェンダー社から離れています。そしてレオの影響力がほとんど消滅する1975年あたりから製品の質にも変化が見られ始めます。

出典:CBSフェンダー、最後の10年の残した教訓とは?|John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

そして1980年代の初め、ストラトキャスターは生産停止に追い込まれます。

本家フェンダー復活によるAmerican Standard等の定番シリーズの登場

その後1985年、CBS社が楽器部門から撤退することをきっかけに、フェンダー社は再興されることになります。

1986年、フェンダー社はカスタムショップ製以外に、いくつかの定番シリーズを量産できるようにして販売を開始しました。

これが現在に至るまで販売され続けている、FMIC(Fender Musical Instruments Corporation)、通称「フェンダーUSA」のギターとなります。

基本的なラインナップは以下にまとめますが、2000年代にはFender Selectシリーズが加えられ、2015年にはフェンダージャパンブランド解体とともにFender Japan Exclusiveブランドなどが追加され、現在に至ります。

いくつかある定番シリーズですが、アメリカンスタンダードシリーズは2000年から2008年にかけて単に「アメリカン」シリーズという呼称で販売されており、2008年になってからNew American Standardシリーズとして再度名を変えて販売されるようになっていたり、アメリカンデラックスシリーズが2016年よりアメリカンエリートシリーズと名前を変えるなど、少しずつ変更が加えられているので押さえておきたいところですね。

部分で見るフェンダーUSA ストラトキャスターの仕様の変化

ストラトキャスターは、現在販売されているレギュラーライン(工場での量産体制が敷かれているラインナップ)の中に、ClassicやAmerican Vintageと呼ばれる過去のモデルを復刻したバージョンがあるほどに、年代ごとにスペックや仕様が異なります。

そのため、こだわる人にとってはどの年代のストラトキャスターを使うかがとても重要です。

スモールヘッドとラージヘッド

フェンダーUSAのストラトキャスターのヘッドには主に2種類のサイズがあり、発表当初からCBS売却までのものをスモールヘッド、1965年のCBS売却後のものをラージヘッドとして区別することができます。

ジミヘンなどが活躍した時期のヘッドサイズはラージヘッドのため、アーティストから入って購入する方にとってはラージヘッドが魅力的に映るのではないでしょうか。

スパゲッティ・ロゴ、トランジション・ロゴ、モダン・ロゴ

基本的には同じスタイルを保っているフェンダーのロゴですが、実は3種類のロゴが存在し、ロゴの種類によっていつのものか(または、いつのものを復刻したものか)がある程度わかるようになっています。

スパゲッティ・ロゴ (1954~1964年)
spaghetti_logoトランジション・ロゴ (1964年後半~1968年)
transition_logoモダン・ロゴ (1968年後半~)
modern_logo
出典はいずれもVintage Mart|フェンダー・ストラトキャスター ヘッドについて【楽器検索デジマート】
リンク先にはさらに細かい様々な情報がまとめられているので、興味のある方は覗いてみましょう!

いかがだったでしょうか。

長い歴史を持つフェンダーUSAのストラトキャスターは、その歴史の中で、基本的なコンセプトを変えないまま、様々なバリエーションを持つようになりました。

コピーモデルなどへの波及も含めれば、まだまだ語りきれていないことも多いですが、ストラトキャスターというものの魅力に触れ、今後自分のストラトを選ぶときの基準としてもらえれば嬉しい限りです。

自分のストラトをお探しのときは、ぜひ楽器マニアで探してみましょう!

それでは。

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